CAEポスト処理の効率化
案件①概要
Femapでのポスト処理のために、Abaqus odbファイルからFemapニュートラル形式を出力するPythonスクリプトを開発した。
これにより従来お客様が行っていた作業をワンストップで実現することができ、工数と処理時間の大幅な削減につながった。
問題点
FemapでAbaqus動解析結果をポスト処理する際、
Femapが直接サポートしていないデータに対応するためのデータ変換に
3日 程度の処理時間と断続的な工数が掛かっていた。
解決方針
Abaqus odbファイルをFemapニュートラル形式に変換するスクリプトを
Abaqus Scripting Interfaceを用いて作成。変換処理の投入後 数時間 で実行完了させる。
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- 開発期間:1ヶ月
使用技術
- 言語: Python, Tcl
- ソフトウェア: Abaqus, Femap, HyperView
- 開発環境: テキストエディタ(サクラエディタ)
プロジェクトの特徴と対応
もともとお客様は、Femapの非対応データを可視化するために次のような手順を踏んでいた。
- FemapにAbaqus解析結果ファイルを直接インポートし、一部はcsvファイルとして出力する。
- Femapが対応しているデータはここでインポートされます。 - Femapがインポートできないデータは、HyperViewでcsv形式に出力する。
- HyperViewで解析結果ファイルを読み込みTclスクリプトで出力します。 - Femapから出力したcsvのデータとHyperViewから出力したcsvのデータを用いて演算を行う。
- 演算はExcel VBAプログラムを用いて行われ、新しいcsvファイルとして保存されます。 - csvファイルをFemapニュートラル形式に変換してFemapにインポートする。
- 変換も同様にExcel VBAプログラムで行います。
このように、複数のソフトウェアを介した複雑な工程になっており、手数を掛ける必要に迫られることが問題となっていた。
また、Abaqusの解析結果が数千インクリメントもの結果を含むものであることから、
・中間ファイルのcsvのサイズが巨大になる
・各工程の処理時間がかかる
ことも問題だった。
そこで、弊社ではまずHyperViewからFemapニュートラルファイルを直接出力できるTclスクリプトを開発した。
これにより作業をワンストップで完遂できるようになった。しかし、出力に12時間も要するため、
その間にHyperViewのライセンスを占有してしまうという懸念が残った。
弊社は対策として、Abaqus Scripting Interfaceを用いたPythonスクリプトの作成を実施した。
試行錯誤を進め、並列処理を取り込んだ段階で、処理時間が目標の3時間を下回るようになった。
案件②概要
報告書用のコンター図作成に必要な作業を自動化できるHyperViewのTcl/Tkスクリプトを開発した。
コンター図作成に要していた時間と人的ミスを大幅に減らすことができた。
問題点
HyperView*1で報告書用の画像を作成する際に、コンター図の許容応力を超える箇所に、
手作業で応力値を記入していた。作業時間を要する上、見落としが発生する懸念があった。
解決方針
Tcl/Tk*2スクリプトを作成して作業を自動化する。さらに、許容応力をオーバーした要素には応力値が
自動記入されるようにし、作業時間の大幅な短縮と人的ミス削減に貢献する。
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- 開発期間:3週間
- *1:Altair社のポストプロセッサ
- *2:HyperViewのマクロで使われている言語
使用技術
- 言語: Tcl/Tk
- ソフトウェア: HyperView
- 開発環境: テキストエディタ(サクラエディタ)
プロジェクトの特徴と対応
お客様は、シェル要素を主とする大規模モデルを用いて鉄道車両の車体(構体)の強度解析を行っていた。
解析処理のフェーズには、作業者が許容応力をオーバーした要素を発見し、その値を図示する作業が含まれていた。
作業時間を要する上に、ヒューマンエラーが含まれる懸念があった。
そこで本件では、作業を自動化するためにTcl/Tkスクリプトの作成を行った。
プログラムが自動で要素へのラベル付けを行うため、手作業はラベル位置の調整を残すのみとなった。
また、許容値をオーバーした要素を見落とすリスクを撲滅することができた。
アピールポイント
CAE専業の日本アムスコとの連携を生かして、CAE解析の課題に柔軟に対応可能です。お気軽にご相談ください。